門灯の下に今夜もお出ましのひきがえる。睨んでますね。睨むに夢中で足踏まれそうだったじゃない。
あまり、のろくさ逃げていくので、御気分でもお悪いの?と聞きたくなる。
いつも、おおよそこの時間に、門灯下にあらわれては、蛾の二三匹をアペリティフ代わりに引っかけて、消えてゆきます。どんなディナーか想像したくない。
夜遅く戻った時、月明かりがほのかに照り返す犬走に周りの闇より濃い闇の塊りが蹲っていました。足音にその闇は、ゆっくりと目を開けました。
闇が目を開け闇を見る蟇蛙 おるか
ひきがえる 踏んじゃったら、怪談よりコワイね。