樹上に木守り柿を一つ残していったのは、何者でしょう。…熊ダナ。急に寒くなってきました。
今日は良いお天気。
あたたかき十一月もすみにけり 草田男
枝をボキボキに折って食べていったあとが熊棚になっています。太い枝も刃物で切ったようにスパッと折っているところが、力だけではない、技を感じさせます。
熊棚と言っても、そこで熊が一服していくというわけではありません。折れた枝が、棚みたいだ、というだけのことらしいです。
柿の実を食べるのは、もちろんクマだけではありません。鳥もたべますし、熟して落ちることもあるでしょう。そういう場合、枝先に蔕【ヘタ)が残ります。
クマはヘタごとむしり取って食べますから、それで、見分けがつくというわけです。
今年はこの柿の木、たくさん生っていましたから、満足して山奥に御帰りになっていただきたいものです。
猪口ほどの仏守る村柿紅葉 おるか
村の奥、山道をかなりのぼった先に小さなお堂があります。昔々そこに住んでいたという旅の僧の持仏が今も守られているとか。とても小さい仏様だそうです。
龍の住んでいたという淵もあります。日本昔話の世界が今も、紅葉あかりのなかに…。
以前、天狗礫と鵺のいる山、の話をしましたが、その上、龍もいるんですからなんだかすごい。