やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

菖蒲湯の前に

お隣からいただきました。見事な長い菖蒲です。

緑の茎からニョキッと異物のようにはえている、これが花。虫みたい。

 

うちしめり菖蒲ぞ香るほととぎす鳴くや五月の雨のゆふぐれ  藤原良経

 

梅雨も間近いこの時節の邪気を払うという菖蒲の香り。悪くはないけれど良い香りとも言い難い。良経の歌のやや重苦しい感じが、まさにそのとおり。ほの暗さのある香りですね。

枕草子で、軒に葺いた菖蒲の束の枯れたのも「をかし」とあったので、去年は玄関わきにずっとつるしていました。でも、「何なの、これ」という感じの単なる枯草にしか見えないようなので、今年は菖蒲湯を楽しむだけにしておこうと思います。

 

  菖蒲刈る山の向こうの昼花火  おるか