今日は重陽。暦の上ではもう秋も半ばなんですね。
唐詩選には、この日、髪に茱茰の枝をさして丘など高い所にに登って午餐を楽しむ詩がいろいろあります。
九月九日遥空を望む
秋水秋天夕風を生ず
寒雁一向南飛遠し
遊人幾たび渡る菊花の叢
邵大震
詩にもあるとおり、菊酒を飲むのが慣わしですが、この暑さでは庭の菊はまだ咲いていません。
菊酒は、菊の花を浸したお酒のことです。菊慈童にあやかって不老不死を願って飲むのでしょう。菊が咲いたらやってみよう。
そして、ここ加賀には、菊酒といわれるお酒があります。白山の清らかな水で醸された、白山市で作られているお酒です。白山の女神さまは菊理姫というお名前ですからご縁があるのでしょうか。
でも昔昔、加賀市の小さなお店で味醂のように甘い菊酒というのを買ったことがありましたけど、あれはななんだったんでしょう。
菊の花といえば桓武天皇の歌
このごろのしぐれの雨に菊の花散りぞしぬべきあたらその香を
が、思い出されます。意外に繊細な歌いぶりですね。平安京に遷都しての後、宮中の曲水の宴の歌だとか。
菊の花とは関係ないですが、今日の朝の絵付け場の写真です。
光が、ななめに差し込んで、仕事机をてらします。
やはり太陽の位置は随分移ってきていますね。秋から冬へ、光がどんどん家の奥へと進んできます。
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