雨が小止みになったので玄関をでて見たらあやうく踏む所でした。小さなお客様。両性具有のかたつむりさん。
2センチほどのはかない殻から優雅なうなじをのばしています。
ゆっくりと頭を廻して、こちらを見ているのでしょうか、もう二本短い角をだしました。
骨格を持つものには不可能な流麗な曲線運動で一礼してくたさいました。
接地面がほんのすこしなのにあれだけ首を擡げるのはかなりの筋力ですね。すっかり感心してみとれました。どこからかくちなしの花の香りが漂ってきます。
もう一匹みつけて飼ってみようかな。そしたらエルマとフローディットと名付けよう、なんてつまらないことを考えているうちに銀色のもの悲しい跡を曳いて静かに這って行かれました。
さようならカタツムリ。殻の中にも雨垂れの音が響いているのかな。