雨の中で夏椿が咲きました。
よく沙羅とよばれている花です。
さびしげな花容は、たしかに釈尊の入滅にイメージが合う気もします。
本当のインドの沙羅は琵琶湖の畔の「水の森」で見たことがあります。とっても地味な花でした。
お釈迦様が涅槃に入られたとき沙羅は季節外れの花をつけたのだそうですが、夏椿は椿の仲間ですから散華できません。
花はやっぱりハラハラと散るのが良いですよね。
桜があれほど好まれるのも、吹雪くほどに散り紛い遙か遠くまで漂ってゆく花びらの魅力が大きいでしょう。
ぽとりと土に落ちて、色褪せてゆくのを見るのはちょっと哀しい。でも夏椿のほのかに紅を帯びた玉のような蕾はとてもかわいいです。
定住漂泊散華なく沙羅の花 おるか