やきもの日和

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衝動買い日記(10)  きびぼうき

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 とうとう衝動買い日記も10品目め。
衝動買いを戒めようと思って始めたのに、どうもあまり効果ないみたい。

 さて、この箒は石川県鶴来町でかいました。鶴来という美しい名前もいまは白山市に呑み込まれてしまったので残念ですが、白山ヒメ神社のいまします静かな山間の町です。

 お土産物屋さんでも雑貨屋さんでもない昔ながらの金物屋さん(?)の店先にあったきび箒です。薄暗いお店の石造りの床はプルーストヴェネツィアのごとく不揃いでガタガタに段差があるのが妙に記憶に残っています。二階にはテンや狐の毛皮、篭などがたくさん放り込んであり、いかにも掘り出し物がありそうなお店でした。御主人は風格のあるご老人で、薬箪笥から熊の胆を出して見せてくださいました。

 黍箒は鶴来よりもっと山奥に入った、三つ屋野という所の人が作って持ってきたんだと老人は話してくれました。

 黍殻がいっぱいについていて、掃こうとすると殻が飛び散り掃除どころではありません。しかたないので使わずに飾っています。我が家の玉箒として邪気をはらってくれると信じましょう。

 箒の背景は越前和紙の壁掛け。これも玉村久さんの作品です。