やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

大聖寺川流し舟

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 今日は大聖寺の町の桜祭りです。
神明宮から山車がでて、町内のお旅所には白い紙垂が春風に揺れています。
古い町のお祭りらしく、どこかしんみりとした情緒があります。

 以前に、通りがかりに見た桜祭りの光景で忘れられないものがありました。
 御付の人に手をひかれた桜重ねに綾笠の平安時代の旅装束みたいな姿の女の子が家々を回っておりました。紋付姿で出迎える人たちを扇で上から下、下から上へと扇ぎ、くるりと回ってまた扇ぎ、そして、、それだけ。つぎの家へと廻ってゆきます。
とり立てて何もしない所が実に典雅でした。いかにもゆかしい春のことぶれ、桜の精の訪れのようで心に残っています。

さて、大聖寺川流し舟ですが、こちらもまた古びた町の流し舟ですから、とりたてていうようなこともないのです。ただそのなにもなさが閑雅なのでした。
乗り場から川沿いの土手続く桜並木は比較的若い木がおおく花が元気です。対岸は神社の古木巨木が川面に覆い被さっています。青磁色に濁った水は流れているとも見えず、「落花のときは、一面の花筏に航跡をつけるのですよ」と船頭さんが話してくださいました。のどかに山中節が流れて、伝統の重さや城下町の誇りに寂れて行く町の哀感をしみじみと味わいました。滅び行くものは美しい。

低地の町の古い水の匂いと哀愁を堪能しました。

もう一葉のしゃしんは流し舟の乗船場の川向いの「深田久弥山の文化館」です。大きな銀杏の木がすてきです。久弥の山登りの用具や資料がてんじされています。建物もレトロでいい雰囲気です。