やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

金蘭さま

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お、お美しい!とおもわず敬語を使ってしまう金蘭さま。
陶芸家中村久一さんのお家の周りに自生しておわしまします。

絶滅危惧(Ⅱ)種で、あらせられる…と敬語はこの辺でやめときましょうか。

人工栽培はほぼ不可能といわれる金蘭。こんな群生しているのは始めてみました。呆然としてしまいました。

 いつも思うのですが、蘭科は進取の気性に富んでいるのか変異がとても多いですね。風土や条件にすばやく適応して、新しい形や色を身につけます。中村さんの窯場のまわりにはきっと清らかな風が吹いているのでしょう。そして中村ご夫妻の植物への愛を感じて、金蘭はかくも増えていっているのだろうと思いました。

 金蘭は名前からして貴重な印象です。弘法大師があの「風信帖」で、伝教大師最澄に「東嶺金蘭」と呼びかけています。「東の嶺の金蘭のようなあなたさま」なんて、ちょっと仰々しいやないの?とつねづね感じておりましたが、易経に「金蘭之契」という硬く親しい友情をあらわす言葉がある(これも中村さんから伺いました)と聞き、畏友への友情をあらあわす表現として納得できました。

 中村さんのおうちのまわりには金蘭ばかりでなく笹百合もびっくりするほど沢山自生しているそうです、春蘭などは気にも止まらないほどとか。すごいところがあるものですね。こういう自生地の特定できちゃうようなことは書かないほうがいいといわれますが、こちらにはすばらしい花守がいらっしゃるから大丈夫でしょう。
ああ、きょうは美しいものを見た。

写真上はすらりと背の高い金蘭。ひらき初めた初々しい花です。
中は、ちいさな株のアップ。蘭科らしい愛らしい唇弁がのぞけます。距に水があるかどうかはみえませんでした。
下は螺旋状に伸びた茎の先の、花までも、うねるような動きのあるすばらしい花の姿。