やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

行楽日和 ミホ美術館若冲展 滋賀県立陶芸の森陶芸館魯山人展

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 7日土曜日、うっとりするような行楽日和にめぐまれて、滋賀県のミホ美術館「若冲展」と県立陶芸の森陶芸館の「魯山人展」に、行ってきました。
 第二名神信楽ICまでの早かったこと!昔は信楽から琵琶湖へ水口のあたりを車で行くのは気が遠くなるほどの道のりだったですけどね。そして、ミホ美術館への渓流沿いのうねうね道の心細かったことといったら!
 それが今では一息ですもの。あの難所ゆえに一入神秘的な、磨崖佛を抱く金勝山をトンネルがぶちぬいているんですものねー。神も仏もない所業でございますよ。トンネルを抜けて近江アルプスとまでいわれる険阻な山並を見晴るかす高速道路は天空の道みたいでしたけどね。

 ミホ美術館は桃源郷をイメージしたのでしょう、やわらかな間接照明のトンネルを抜け釣り橋を渡ったそのさきに秋の日を浴びて厳しさとつつましさをほどほどに混ぜた具合にたっておりました。天窓からの光がライムストーンの壁に映えてそれはそれは美しく、あまりにも洗練されて趣味が良くて、だんだん小憎らしくなってくるような素晴らしい建築です。上の二枚の写真ではあふれ出るゴージャス感を捉え切れていません。建築も素晴らしいし、展覧会もいつも鋭い切り口だし展示もいきとどいているし、実に完璧な美術館です。わたしは完璧すぎるのってちょっと苦手なんだけれど、ともかく感心せざるを得ません。

 若冲展の今回の呼び物は最近石川県で発見された「白象と鯨」。面白かったです。象さんの丸いお耳も、波の中から一部だけ見えてる鯨の背中もかわいかった。しかし若冲はすごいな。あんな風に描く人は他にいないもの。次室には池大雅のびょうぶがありましたが、若冲を見た後では、大雅も普通の上手にみえました。同じく奇想の画家として長谷川蕭白の山水図もありました。まるでマニエリスムの洞窟趣味を髣髴する絵で、時代や文化を越えて奇想に憑かれた者は好みをおなじくするものなのだなーと妙に感心しました。
 前に来たとき買ったパンがおいしかったので、焼きあがる時間を待って並んでいたら「一人三個までです!」とぴしゃりと言われてしまいました。残念。

 滋賀県立陶芸の森陶芸館の魯山人展は、ほとんどこれまでに見たことのあるものでした。それにしても魯山人の食器って大きい。よっぽど健啖家だったのでしょうね。

 陶芸館をでてうららかな光の中にひろがる信楽の里の風景を眺めました。このあたりの山山には、岩座のような立派な火成岩や変成岩の露頭がたくさんあります。石英や長石の綺羅の混じる明るい色の花崗岩は石好きのわたしには堪え切れない暖かみを感じさせてくれます。