やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

悼 クロード・レヴィ=ストロース

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 「神話的思考、それはわれわれに凸面鏡をさし出し、そこに、思考のからくりのいくつかを量感にあふれ具体的でイメージ豊かな仕方で拡大して映し出すのである。」レヴィ=ストロース(ヒバロ版[トーテムとタブー]

 文化人類学者クロードレヴィ=ストロース氏が亡くなりました。厖大な著作のどれもとても面白かった。

 始めて読んだのは、水族館掲示板の方にも書きましたが、中学の終わり頃だったか。個人的なことですがその少し前、小学校の頃にフロイトの「精神分析入門」を読んでショックを受けていました。
 子供でしたから、性的なものはおぞましいだけで、 フロイトの言う様に 文化が性的なものとその抑圧イメージでしかないのなら大人になる必用はない。自殺しようと思いつめていました。
 でも すぐ死にたくもなかったのでレヴィ=ストロースが、たとえばオイディプス王について「われわれがこのギリシア悲劇に興味を抱き夢中になる理由を性的コードのみで説明することは出来ない」とはっきり書いてくれたのを読んで嬉しかったですね。ある意味命の恩人ですよ。

 初めて読んだ氏の著「作悲しき熱帯」も文庫が出てますね。読み返してみよう。思えば長い時間がたったものです。

 初冬(はつふゆ)の光読むとは悼むこと  おるか