散歩の途中に山の木の実を拾うのは、楽しい。お腹の足しになるほどは無いけれど山の生き物達のお仲間気分です。
青いイガの中から頭を覗かせた栗の艶、アケビのアメシスト色の深くてしかも澄んだ色調はなかなか描けません。
アケビはお隣のおじーちゃんからの頂きものです。山の花や実を絵に描くのが好きなのを知っているのでおじーちゃんは、蔓をつけたままとってきてくださったのです。道に沢山落ちていたそうです。猪が食べたのかな。勿論私も描いたあとはおいしくいただきます。栗もおいしかった。
それにしても栗のイガって本当に痛いものですね。良寛さんの歌にもあります
月よみの光をまちて帰りませ山路は栗のいがの多きに 良寛
万葉集を下敷きにしているそうですね。読んだときは「ずいぶんとご丁寧なものだな」とおもったのですが実際、栗のイガにさされてはじめて知るその痛さ!植物のセルロースおそるべし!
良寛様の注意は切実なものだったと知りました。当時の人のように下駄や草履でふんだとしたら泣くとおもいます。
良寛様の歌には遠慮する相手に「もうすこしゆっくりしていってよ、」というような気分もあって、なんともやさしい雰囲気ですね。