部屋の奥まで、小枝の影を伸ばして来る、
すきとおった光。うつろいやすい冬の光。
欠けた古染付の向付を金でなおしてもらいました。
時間の中に、たゆたう古きものは、冬の光がなんだか似合いますね。
蔓梅もどきの実。過ぎ去った季節の凝った夕焼けの一滴一滴。
それにしても『梅もどき」って、ウメモドキにしてみたら迷惑な名前じゃないかしら。
「別にもどいてるわけじゃないんですけど」ってきっと思ってるよね。
でも「もどき」は日本という方法のキイ・ワードの一つですから。
ニシキギ科の蔓ウメモドキに梅の面影を見立てるのも、あそびごころということでしょうか。
花はぜんぜん似てないから、実に注目しての命名なんでしょうね。
それも赤い実ってことは、梅干に似てるってことですか。蔓ウメモドキには悪いけど、ますます妙な命名ですね。