松任市名物「あんころ」をいただいたので、今日の午後のティーブレイクは緑茶。
昔ながらの素朴なあんころ餅、だいすきです。
お寿司屋さんのお湯呑みのように大きな赤絵金彩湯飲みの銘は「廃園の薔薇」。
浪漫チックな名前ですが、これを作ったときは、ちょうど、クリムトのアトリエの夏の名残の薔薇を見てきた後でしたので、つい。
あまり金をピカピカにしないで、ややかすれたり、花もふぞろいだったり、あえて、してるんですよ。
久しぶりに、手に取った本は、表紙を見れば一目でわかる、ジャコメッティのデッサンの示す通りファタ・モルガナ社刊アンドレ・ドゥ・ブーシェ著「かたどっては消すその線」(ど直訳ですみません)
<パリの街角で手をだらりとして立ち止まるジャコメッティ…遥かな空を計ろうとして。>
といった感じのエッセーというかオマージュみたいなほんです。ページの上を切って開く製本方法もなつかしい。ページの紙が厚いので、閉じられた中にデッサンが入っているに違いないと思ったんですけど、一葉しかなかったので、ちょっと残念。
ジャコメッティの錆びた火箸みたいな人体像は嫌いではありません。ページの上のひっかき傷のような線で描かれた女性像は異様に手が大きくて、出も不思議に美しい。
絵もよくしたヘミングウエイに「描くことは、再び愛すること」という良い言葉がありました。
ジャコメッティにとって、描くとは何だったのでしょう。まぁ「愛」だって、温かく優しいものとは限りませんからね。
ページ切る枯葉散る音続く中 おるか