開き乱れる紫陽花の、谷底へとくずれる …かのように見えますでしょ?
実は、ベランダからの眺めです。
手前におかめ紫陽花、下に白い紫陽花アナベルとピラミッド紫陽花などなど。
紫陽花は挿し木で良くつくので長い年月の間にさまざまな品種をそうやって増やしてしまいました。
特に珍しいものでもないのですけど、梅雨の晴れ間の光があまりきれいだったので。
部屋に活けようと切ってみたら、紫陽花の毬の内側がカビみたいなもので覆われていました。うどん粉病?繊細な感じでそれなりに綺麗なものでした。アラブ風の細かな文様で覆われた天蓋をみあげたよう。
紫陽花は、まだ色がはっきりする前の薄翠みたいな時が好きだな。
微妙な色の変化がなんとなくあやうい。
森茉莉の「甘い蜜の部屋」の主人公の美少女は彼女に惹かれる人をすべて不幸にしてしまうけれど、その一人のピアノ教師がまだ幼い少女を「まるで紫陽花だ」と思うシーンがありますね。紫陽花のちょっと病んだ雰囲気があってこそでしょう。実際美少女モイラは、少し腎臓が悪いのね。「ちょっと腫れた顔」がおそろしいほど、だったか憎らしいほどだったか、かわいい。
紫陽花のような美少女か。顔色悪くても可愛いってすごいね。
白く白く病む紫陽花の毬の内 おるか