山中、芭蕉の館での連句会も、三回目。今回から日程が第三月曜日のお昼1時半からとなりました。
芭蕉の館の玄関脇には、もう秋明菊が咲いていました。
部屋から眺めるお庭もきれい。
、先回までは、
発句 山中や湯の香かわらぬ青葉闇 橋本
脇 古き館に集う夏服 上出
と、はじまりました。今日は 第三句からです。挨拶が終わって、さて気持ちを一新して、趣向を転じたいところ。夏の句が二句続きましたので無季の長句をおねがいしました。
さまざまな案がありましたが、
第三句 木地を挽く若き女の腕細く 笠原
を、いただきました。。脇の句の、古き館に涼やかに集うということを踏まえて、古い伝統ある世界にも新しい人が集って居るという気持ち。実際、女性の木地師さんは大変多くなっている昨今だそうです。伝統工芸の山中塗りの木地師は地味な仕事かもしれませんが、わたしは華美な物より、素朴な木の味を生かした仕事が好きですね。
第三句目は「…て …にて」などでとめる例が多いですが、「細く」と形容詞連用形で「細くして」の意と、とれます。
さて第四句です。ここもやはり無季で七七の短句
第四句 雨戸をゆらす川風の音 平井
上手い! 連句はこういうさらりと次へ続ける句が必要なのです。前句の女性の工房の風情とも取れるし、次の『月」を呼び出す絶好の遣句となっています。
さて、初表の第五句めは「月の定座」です。
第五句 山腹に五重の塔や月はるる 笹次
さすがに月の句は俳句で作りなれていることもあるでしょう、びしっときまりましたね。
次回は初表の最後の句,大六句目からとなります。