やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

ハガキ俳句第9号

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ガタンとポストに音がして、今日の郵便が届きました。
その中にカラフルがハガキが!

お久しぶりのはがき俳句です。切手は蛍でした。粋ですね。こんな切手あるのね。

西原天気さんの

「さなかに」と題のついた5句から。

  手に指がならんでをりぬ日雷  天気


雷雲にふいにほの暗くなる室内。すらりと指をそろえているのはおそらく対座している人物でしょう。
途絶えがちな会話の合間の沈黙に雷鳴がとどろく。
橋本多佳子の「いなびかり北よりすれば北を見る」の異様な素直さを連想しました。
この句の指の持ち主も佳人に違いありませんね。
作者自身の手だとしたら…きっとジャン・コクトーばりの御手の持ち主でいらっしゃるのかも。ちょっと見てみたい。


  ひとつぶと数へてみたり雨蛙  天気

驚くほどちっちゃな居雨蛙っていますよね。雨蛙の可憐さが、胸迫りますね


  砂町をきれいな蛇がすり抜ける   天気。


砂町って地名があるのかどうか知りません。ひょっとすると砂でできた町なのか。中央アジアの砂漠都市か。
そこを、音も立てずにすり抜ける蛇は実に美しいですね。

萩原朔太郎の「猫町」では怪しいほど美しいその町をネズミが一匹駆け抜けて、そのとたん魔法が解けて、というか逆なのか、その町が人外の猫の町だったことが露呈するのですが、この蛇にすり抜けられた砂町はそのあと崩壊することでしょう。

はがき俳句のもうお一方、笠井亞子さんの作品については、のちほど。