興は山中温泉の川沿いの遊歩道、鶴仙渓の紅葉を見に行ってきました。
いつも連句をしている芭蕉の館の裏手の道をたどるとすぐあやとり橋です。紅葉はそこから上流の蟋蟀橋までのあたりが見ごろだと聞きましたので、ぶらぶら歩きます。
赤い茸のような屋根は川床のお茶屋さんで、コーヒーなどもいただけます。
紫色の鉄骨が、紅葉にけっこう似合いますね。時雨の跡か湿った舗石と木の根道が打ち混じっていて、歩きにくいというほどでもないけれど、岩の上から川を覗くときなどちょっと気を付けた方が良いかも。
やはやはと時雨の蛇体山をまき おるか
「まき」の漢字は
糸偏のまくです。
足元ばかり見ていると頭をぶつけるポイント。
道沿いの苔が豊かできれいです。ヒノキゴケが、石をめぐって新しい場所を求めています。左側のおさないヒノキ苔たちの群れがかわいい。
夢日記とぎれしままに草紅葉 おるか
この頃、やたらに眠いんですよね。なぜだろ。
なんて考えているうちに、
こおろぎ橋につきました。欄干から眺める紅葉はさすがにみごとです。
あやとり橋から下流の方は、そろそろ紅葉も終わりのようでした。この辺りも今日の午後の光に見納めかな。
病む鯉の泳ぎやめたる紅葉かな おるか
この川ではなく、近江醒ヶ井での句です。お友達(?)の鯉が心配そうに寄り添っていたのが忘れられない。
紅葉は、散る間際の華美をきわめた輝きがいいですよね。
等と独り言ちつつ家に帰ったら、我が家の紅葉もけっこうきれい。
葉に触れてまた葉に触れて落ち葉立ち おるか
仕事の合間に眺めていると落ち葉が他の葉に触れながら落ちてゆくのが、別かれの挨拶のようでした。