やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

十二月の俳画 山茶花

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山茶花

花の乏しくなるこの時節に、ぽっかり鮮やかな花を見せてくれる山茶花

椿よりややはかなげで壊れやすそうなところが寒さの厳しさを増す初冬の風景にひとしお もの哀れに思えます。

句は

 その肩に薄れてかへり花の影   おるか

 

かへり花、帰り花、 本来、春や夏に咲く花の、小春日のおだやかさに思わず咲いてしまったような季節外れの花のことです。たまに見かけますよね。見つけるとちょっとうれしいけど、すぐ寒くなるのにと思うと哀れです。なんとなく影の薄い存在のような帰り花ですが、この世に咲いているからには、影を持っています。けれど移ろいやすい冬の日にすぐ陰って薄れてしまう帰り花の影。思い出の光景です。