久々に、赤に金彩で描いてみました。お寿司屋さんの湯飲みのような大きなお湯呑みとと小さな杯。模様は薔薇なんです。
九谷焼美術館の金際の間においてある作品もそうですが金彩はキッチリ丁寧なものが多いですね。高価な材料なので、大事に大事に使いたい気持ちは、わかる。
明治の職人のような超絶技巧は、もちろん凄いな、と思います。でも、個人的な好みですが、私は精緻を極めた作品より、どこか、荒さを残したものの方が、風情がある、とかんじるんです。
いわば、左右対称にきれいに刈り込まれたフランス式庭園より、自然な雰囲気のイギリス式庭園。そこをもう少し推し進めて、完璧に手入れの行き届いたお庭より、廃園の美。という感じ。
教科書通りにきちんと剪定されて咲き誇る薔薇は勿論美しいけど、廃園の残んの薔薇は、よりロマンチックでは?
と、いうわけで、落暉の照らし出す廃園の薔薇。
クリムト・ヴィラの名残の薔薇を見たときから一度描いてみたかったんですよねー。
金子光晴のさくひんでも「老薔薇園」が一番好き。ちょっと病んでるかなー。でも、完璧な健康なんてロートレアモン伯爵にお任せしておけばよろしいのかもね。