ゴトンと郵便受けに音がして、本が届いた。
差出人のお名前を見てビックリ、瀬戸内寂聴様から。
封筒の中には寂聴様の甥御様の句集が入っていました。
私は詩を読むのが好きです。漢詩も短歌も、もちろん俳句も。
だから、本を送っていただけるのは嬉しく、それこそ欣喜雀躍、わくわくよみますが、困るのは、その後です。
優れた句集、詩集であればあるほど感想が書きにくい。
例えば、せんだって、御送りいただいた黒田杏子氏の第一句集の再販「木の椅子」、もちろん以前にも読んでいますが、何度読み返しても、みずみずしくて良い句集なんですよね。
しかし、「これこれの句に感銘しました」と申し上げるのも なんだか烏滸がましいような気がしますし、それなら他の句はどこに問題があったのかなど答えられるはずもなく、かといってお礼も申しあげずにいるのも、しつれいですし。
なんて言ってるうちについついため込んでしまっている。
胸の上に石のように重なる本の重さにうなされる。
笹鳴きや寂庵とある住所印 おるか