やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

草の花

くさのはな

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小さな小さな花瓶に草の花

「草の花」は秋の季語。

「花野」も、秋

春にも様々の花は咲くのに、少し不思議な気もします。それでも、赤のままの、葉は臙脂色に紅葉しながら優しい花をつけているのや、枯れるにつれていっそう深さを増す野菊の紫など、たしかに小さな花が深い表情を見せてくれる季節かもしれません。

草紅葉にはまだ早いけれど、一輪挿しに挿して遊びました。

左手前、赤のままを活けたのは古伊万里です。真ん中のガラスの小瓶は起き上がりこぼしになっていてゆらゆら花を揺らしてくれるのが楽しいの。保木詩衣吏さんの作品。

右の中国黒陶というのは勿論偽物です。五万円で買えるわけがない。でも、シュウメイギクの蕾にはちょうど似合う。

杜鵑の花を活けた器は女性作家さんの作品なのですが、お名前を失念してしまって申し訳ない。大きな種みたいな、自然物のようなたたずまいがおもしろく、いつも花を活けています。他は、私の作ったものです。

 

  草に寝てたちまち失くす草の花   句集「夏の庭」

 

つい、摘んで、そしてどこかに失くしてしまう草の花。枯れるまでの短い時を、ひたすら咲いている小さな花を摘むのは、ひどいな、とは思うんですけど。やらずにいられない。