やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

九月の表紙

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秋が待ち遠しい

 九月になっても暑い日が続いています。でも空の色が夏とは違う。風の音は、はっきり違う。虫の声が大きくなっている。やはり、そこはかとなく秋めいてきました。
器も赤絵や色絵などがちょっと恋しくなります。

 山中塗の御碗にワカメの雲に隠れようとするお月様のようなサトイモ。唐子遊びの飯碗に栗ご飯。

 色絵木の葉の豆皿に一口づつのお漬物。ひだりがわは小蕪の浅漬け、菊の花和え。菊の臭いを嗅ぐと、秋だな、とおもいます。 向付けは菊の葉形、色絵の小菊がちらしてあります。
 呉須赤絵の菊の花紋様片口に、サトイモ煮っころがし。ありあわせの料理ばかりですが、器で秋の気配をかもしたつもり。馬上盃にはキノコとモズクの酢の物。

 写真の上の方に覗いている赤絵の木の葉形大皿に加賀の葡萄。秋は果物が美味しくなって嬉しい。とはいうものの、今年は北陸でも乾燥して暑い夏だったので、お野菜や果物はいまいち良くないそうです。庭の秋の七草も枯れてしまったのではないかしら。

萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 女郎花 又 藤袴 朝顔の花 山上憶良

万葉仮名は私のパソコンに無い字が多くて残念です。秋の七草は紫がかった花が多いようですね。今の花とは違うものもあるらしい。万葉の時代の朝顔は桔梗だろうというのが定説のようですし、女郎花も藤袴も諸説あるそうです。藤袴は薫り高いとさまざまの歌にあるわりにはぴんとこなくて、不思議に思っていました。万葉集に萩は141首もあり、他の花も二けたは載っているというのに、藤袴は、この憶良の歌くらいだそうですし。憶良氏の勘違いだったとか。
ともあれ、秋の夕暮れには紫の花が似合いますね。

 

可惜夜の花野や甘き葉切り傷   おるか
 

2020 九月七日