やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

甘草の花

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雨の中、藪甘草の花

 「夢はいつもかへっていった やまの麓のさびしい村に

 水引草に風が発ち

 草ひばりのうたひやまない

しづまりかへった午さがりの林道を 」 立原道造詩集 「萱草に寄す」

その林道には野甘草やキスゲユリ科の甘草の花花も咲き乱れていたことでしょうね。

漢方の甘草はマメ科の植物だそうで、大好きな「甘草・リコリスのお茶」も、そっち、マメ科の甘草らしい。長いことそれを知らないで、ユリ科の甘草は立原道造の詩集のように忘れ草とも呼ばれるので、「この世の憂さを忘れさせてくれる甘さなのね」などと思っておりましたが、まったくの思い違いだったわけです。笑える。

それでも、夏の夕闇に甘草の鮮やかな色がもの憂く揺れるのは、思い出のなかにいつまでも残りそうな妖しさです。

家の庭のヤブカンゾウが咲いたから、白山の高山植物園のキスゲ群落も咲いているころかしら。雨が止んだら見に行こうかな