やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

六月の表紙 牡丹紋様の器あれこれ

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花の王の器

北陸の、このあたりでは今、牡丹が咲いています。うちの庭は日当たりが良くないので牡丹は無理かなと、芍薬を植えているんですけど、やはり、どうも元気がなくて心配しているところ。山芍薬は大丈夫なんですけどね。

 
牡丹は花の王とも言われ古九谷の大皿にも描かれています。中国では富貴の象徴として好まれ、牡丹に蝶は富貴と長生をあらわすのだとか。

 そこで、染付の牡丹紋様大皿を出してみました。庭でだめなら器でって、江戸の敵を長崎で討つみたい…かな。
大皿にカナッペいろいろ。やや和風味のカナッペです。
食べ終わっても絵があると寂しくないでしょ?

 手前の御飯茶碗は外側に色絵のぼたん。内側、見込みの絵付けもお見せしたくて一文字風にご飯をよそってみました。絵は少しづつちがっているんです。蕾がほぐれたところから、満開まで。
 右側の氷裂紋様の足つき皿はには、山蕗の炊いたのに、マグロのたたきまぶし。
花の王湯呑には加賀棒茶「べにふうき」です。「ふうき」の縁で。
写真奥の赤絵の菓子鉢は模様が良く見えませんが、かなり紋様化した牡丹のあれこれ。呉須赤絵には牡丹多いですね。
座布団やカーペットも夏ものに替えました。気分を変えて風を入れましょう。

 

隠国の華瓶の汗を並べけり  おるか 句集「夏の庭」

 

 初瀬の長谷寺へ行った時の句です。隠国(こもりく)は山々に囲まれた国のこと。初瀬の枕詞でもあります。おりしも牡丹の時節でした。ならべられた華瓶(けびょう 仏様にささげる金属製の花瓶)にも絢爛の牡丹。瓶の表面はうっすら汗をかいていました。中の水が冷たかったのでしょう。ああ、あの登廊、もう一度歩きたい。