やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

一輪草、帰る鳥

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一輪草が咲きました

  鳥たちの北へ帰るころ。庭に一輪草が咲きました。

 うちとけて一輪草の中にゐる 古舘曹人

一輪草と打ち解けていらっしゃるんでしょうかしらね。川沿いに山道を辿った先に一輪草の咲き乱れる谷があります。細い花頸が一斉に風にうなずく中に座ると、確かに打ち解けたような気がします。その谷は真っ白な一輪草の大群落です。

 大概の一輪草は白いですけど、うちの庭のは皆紫なんです。いかにも、「わたくし、毒がありますの」と、言いたげな紫です。キンポウゲ科ですから一輪草は確かに毒草なんです。

まだ冷たい風の中で春を知らせてくれるこの花が咲くと、うれしくて毎年、一輪飾っておちゃにします。

やっと一杯分だけの小さな急須。可愛いけど裏洩れがひどいの。

染付の蓮華も焼きすぎて、ややへたってしまってる。自家用って、そういうものばかりです。

 

 

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絵替わり小皿

同じ形の器に、違う図柄の描いてあるものを絵替わりといいます。藍古九谷の代り皿には、まったく違う絵の描かれているのもあります。

大概は写真のように同テーマのヴァリエションが多いようです。

絵替わりは手間がかかる、めんどうといわれてきました。以前唐子遊びの小皿にお正月遊び、凧揚げ独楽回しなど五種類をえがいていたときは、たしかにそうでした。と、言うのも、五種類のうちどれかが売れてしまうと、それを補填しなければいけません。凧揚げ2枚、羽根つき一枚なんてやっているとわけがわからなくなってしまいます。

 

 しかし、ある時、ふと気が付きました。しゅるいがきまっているから、めんどうくさくなるのだ、と。

それ以来、一枚一枚違う絵を描いています。すべて一枚だけですから補填はありえません。お買いになってくださるお客様も一番お好きなものを選んだり、虎の子が蝶を見つけ、狙い、飛びかかり、失敗する、というストーリーで選んだり、と楽しんでいただけるみたいです。

ともあれ、せっかく一枚一枚描いているのですから、それぞれ違う方が描いているほうもたのしいんです。しかし、それを絵替わりというのかどうか、多少疑問にもなります。

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一人チョコ

胡桃の木の下のお菓子屋さんで買ったチョコレート。特にワインに合うってわけでもないけどないけど、どっちも大好きなものだから、それぞれ美味しい。

寒い間も、お仕事ご苦労さんでした、と自分をねぎらいました。

我谷盆に、なでしこマグカップ、赤のぐい飲みには金彩で「雪月花時最憶君」とか「年年歳歳花相似たり」など、好きな漢詩の一節をかいています。

若い時は、良くチョコもらったけど(友チョコ)一人もなかなかおつなもんです。

萎れた薔薇をちらして、いただきまーす。

 

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二月の俳画 蕗の薹

本当は、俳句と絵が同じ題材なのは避けたいところなんですけど、つい、やってしまいました。

句は

ふきのたう切れば雌花でありしかな

 

蕗の薹は雄花雌花があります。まな板の上でふっくらした薹を切ってみれば、女の子だった。ちょっとかわいそうです。ほろ苦い小さなフキノトウ

絵は、やや滲みすぎました。雀の頭が実験に失敗したマッドサイエンティストみたいになってる。

白鳥の群れ

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白鳥を見た!

国道と人家の間の田んぼに白鳥の群れ。

移動しながら土をしきりにつついて何か食べています。。暖冬で刈り残された稲のヒコバエでもあったのでしょうか。

田んぼは ずっと広がって居るのに、なぜ一箇所に集まっているのでしょう。集団生活がみについているのかな。天敵もいないと思うけど。

山並みには、新雪。北へ帰ろうと思ったら思いがけず雪に会って緊急避難したのかもしれませんね。道は遠い。白鳥さんたち、気を付けてね。

 

 地に下りて白鳥影を持ちにけり  おるか

 

田をせせる白鳥の群れ日矢の裾  おるか

水泡燦発つ白鳥の声落ちて    おるか

白山に残る日帰る白鳥に  おるか

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弐月の朝粥

 立春とは云うものの、今朝の寒さはどうでしょう。 家の中が冷え切っています。朝飯前に上絵の窯を出して、ざっとチェックして、さて朝御飯です。絵の具が流れてしまったり、ちょっと残念な器達。家で使う食器は皆そういうものなんです。窯から出たばかりで、まだ赤も磨いてないけど。

 

 先日京都、大徳寺丹行った折にいただいた、大徳寺納豆、をトッピングしました。 手前中央、赤絵竜虎飯碗に御粥、右の椿の碗に胡麻豆腐、左、花の王飯碗には風呂吹き大根。さすがに大徳寺納豆は禅味ですなー。

 椿の飯碗と花の王飯碗が、新製品です。食卓の上は春の花いっぱい。

 

奥のやや大きなお皿に野菜炒め。左の赤絵なでしこ小菓子鉢に煮物。 ありあわせの朝粥です。あ、漬物出すの忘れた。   

 「冬はつとめて」と、清少納言はおっしゃったけれど,二月の早朝もまだまだ良い。光は澄んで率直で、食卓に枝影をくっきり落とします。木々の芽も心なしか動いてきているよう。そんな二月の気配の中で熱いお粥をいただくのって、うれしいな。

 雪折れのなほほぐれむとする芽かな  おるか

残雪の道に落ちていた大きな雪折れの枝。その折れて猶も芽吹こうとする命。山里の冬の終わりはもう少し先かな。

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蕪の新芽のニョッキとベイビー・アマローネ

今日のランチは、

蕪とチキンのニョッキ

蕪の葉の付け根、新葉の部分にはミントにも似た独特の味わいがあります。蕪を買うと大きな葉は切ってわざと数日、新葉を伸ばして摘み取ります。霊妙ともいえるそのお味、まだご存知でなかったら、蕪を御求めになったときは、ぜひお試しください。天籟の美味です。
 器はまだテスト中の青いバラシリーズの中皿。形は使いやすいと思います。染付の藍と上絵のグリーンがやや違和感があるかなー。

ジャガイモのニョッキはモチモチでとてもおいしいの!
今日は何でもない日だけど蕪の新芽記念日ということで、モンテ・デルフラのベイビー・アマローネ2016をあけました。このシャトーのワイン何故か好きなんです。新鮮な花のような香り、薔薇の器と似合います。